住宅雑誌「チルチンびと」71号掲載 設計 大野 正博
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家族の暮らしを大切にしつつも、はっとするような厳かな美しさをもつ山 口邸。極限まで無駄を省き、楽しい仕掛けも盛り込む大野流のアイデアを 見てみよう。        イラスト/サカマキヒロカズ(DUAL PLANNING) 美しさと合理性を 追求する 【 解題 】大野正博のデザイン  もともとのご主人の生家は、茶の 間が北側、客間が南のいわゆる「昔 の家」。家族の居場所は、日中から 電気をつけなければならないほど暗 く、ご主人は「家のおいしいところ を家族が使えないなんて」と思って いた。  新しい家は、中庭を囲む二世帯住 宅。どの部屋にも明るい日光が届き、 庭の眺めが楽しめる。庭に面したメ インの開口部が嵌め殺し窓になって いるのは、普通に暮らしていて完全 に開け放つことは少ないし、外が見 えていればつながっているように感 じるという大野さんの考えから。天 井を張らないこと(

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