住宅雑誌「チルチンびと」71号掲載 設計 大野 正博
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頁)も同様で、 ほかの細部にも、無駄をなくすとい う考えが反映されている。この選択 がコスト減にもつながった。  潔く現しになった柱や梁、無駄の ないつくりが、禁欲的な美しさを感 じさせる山口邸。住む人の立場で必 要、不必要を選別し、そこから導か れた合理的なデザインが、美しくて 居心地のいい空間をつくっている。 周囲は住宅密集地。建物で囲んで、庭を 生み出している。同じ庭を共有すること で二世帯につながりももたらす効果も。 上/柱をそのまま建具の戸あたりに 使用して部材を減らす。 下/幅木 を回さず、白い壁の隅を見せること でシャープな印象に。 敷石の代わりにコンクリート 平板を幾何学的に。使う材料も 並べ方も、無駄を良しとしない 大野さんの美学が表れている。 デッキ 納戸 LDK 物見台  

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