住宅雑誌「チルチンびと」68号掲載 設計 藤井 章
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た、奥さんが茶道を嗜なんでいるので茶花も植えるなどしているうち、その種類は数え切れないほどに。山野草は手がかからないため、肩肘張らず接することができるのがよいと言う。   もともとご両親が花好きで、花に囲まれて育ったご主人。「家も庭の草木も、継承してかわいがっていけばいいのかな」と、花との暮らしについて語る。  家に彩りを添えるのは庭だけではない。廊下の突き当たりの花台や出窓など、室内のそこここに花をしつらえる場所がある小幡邸。「設計の際に、無意識だけどそうした場を図面に描き込んでいるんです。季節ごとの演出ができたら楽しいはずですから」と藤井さん。花を介して、庭と家がつながる。   土間と庭とを行き来する娘さんの姿を見て、「子どもが育つ家には大らかさが大切です」と納得の面持ちだった藤井さん。この家で娘さんは身近に自然を感じながら、のびのびと育っていくに違いない。

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